第64回 Hip Joint コラム

2021年新年の展望
別府 諸兄
(公財)日本股関節研究振興財団 理事長、聖マリアンナ医科大学 名誉教授
新年明けましておめでとうございます。今年も宜しくお願い申し上げます。

 さて、日本股関節財団会報創刊号(1988年7月1日)を顧みますと、財団法人日本股関節研究振興財団が厚生大臣の認可を得て正式承認されたのは、昭和62年1月30日(1987年1月30日)と記載されており、34年前であります。準備期間の3年間、実に4年半が経過して財団会報がやっと創刊出来たようです。また、この創刊号において当財団の目指すものは、股関節に関する疾患を組織的に調査研究し、的確な治療法を確立することによって、股関節の病気で悩む方を一人でも少なくし、より良い社会を創造することであると述べています。
 また、この創刊号には当時の衆議院議員、元厚生大臣であった故橋本龍太郎様が財団会報の発刊を祝して「父・龍伍の敵、股関節の病―それだけに撲滅の願い切実―の中で、最後にこの財団の活躍により父、龍伍の様に、股関節に一生苦しみながら人生を生きぬかねばならぬ人を、一人でも少なくしてもらいたい」と述べています。
 これは財団の骨子となり、股関節に関する研究を奨励することにより、学術及び科学技術の振興を図ると共に、股関節、人工股関節及び運動器に関する普及啓発を促進し、股関節を中心とする運動器の健康寿命の延伸を図ることにより、国民の公衆衛生の向上及び健康と福祉の増進に寄与することです。加えて若い研究者への海外研修事業、国内研修事業を行うことを目的としています。
 研究者の困窮については、12月のNHKの番組で取り上げられ、「何が科学を追い詰めたか?科学立国低迷の真相」では、若手研究者が減ってきたことが一番の問題であるとしています。その結果、20年後、30年後の日本の科学技術が遅れてしまうとの危機感を訴えています。つまり、科学の果実のみを求めて、果実をもたらす土壌がやせてさせてはいけない。研究に打ち込む科学者に敬意を表する文化を忘れてはいけないと、述べています。
2020年に引き続き、今年も新型コロナウイルス感染対策が大きな課題となります。昨年、新型コロナウイルスの感染拡大は、日本社会の地盤沈下を浮き彫りにしました。
 年末には東京では新規感染者数1000人を超えて、1337人となりました。今年はどのような年になるでしょうか。34年前に故伊丹康人理事長がいみじくもこの財団は股関節に関する治療技術を促進する財源として、基本財産の利子を頼りにしている助成財団であると述べています。しかし、低金利の今日においては思うこと多くして、意に任せずというのが現状であります。昨年も心ある多数の方々並びに医療関係の会社、病院からご協力をいただき、心から感謝の意を表する次第であります。

今年も何卒、ご支援の程、宜しくお願い申し上げます。

Hip Joint コラム履歴

第84回 「お笑い番組での人工股関節の話題」

第83回 「人工股関節の寿命を長期化する取り組み」

第82回 「人工関節インプラントの国産化の必要性」

第81回 「手術はレントゲン写真ではなくその人を!」

第80回 「骨粗鬆症治療中に注意が必要な骨折−大腿骨非定型骨折−」

第79回 「非対面型コミュニケーションの課題」

第78回 「我が国に寛骨臼形成不全が多いのは、何故?」

第77回 「超高齢社会における股関節疾患の未来」

第76回 「コロナ禍の整形外科」

第75回 「2022年新年の思い」

第74回 「人はなぜやせられないのか?」

第73回 「脆弱性骨盤骨骨折に思う」

第72回 「骨粗鬆症による大腿骨近位部骨折の予防と治療」

第71回 股関節疾患に関する基礎研究

第70回 「日本人工関節登録制度をご存知ですか?」

第69回 子どもや孫が「家族歴」が理由で
股関節健診にひっかかった!!時に読む記事

第68回 「姿勢と呼吸」

第67回 筋肉が衰えればすべてが衰える

第66回 人工股関節全置換術術後でも足の爪が
自分で切られない患者様に対する自助具を開発しました!

第65回 人工股関節は生身の股関節より性能が良い!

第64回 2021年新年の展望

第63回 股関節と尿失禁(尿漏れ)の意外な関係

第62回 大切な「何か」

第61回 大腿骨近位部骨折と骨折リエゾンサービス

第60回 私の股関節と剣道 第2報 2週間の入院経験

第59回 コロナパンデミックとスペイン風邪

第58回 「ヒップの摩耗の問題:本当にあった話です」

第57回 赤ちゃんの股関節を守るため、生まれてすぐからの予防を!

第56回 コロナ、ステイホームで思うこと

第55回 高齢者の骨粗鬆症と大腿骨頸部骨折

第54回 変形性股関節症に対する温泉療法について

第53回 国内におけるカダバートレーニングの現状

第52回 2020年(令和2年)新春明けましておめでとうございます。

第51回 「ヒップペイン」

第50回 人工股関節の術後合併症

第49回 『きょうよう』・『きょういく』と股関節

第48回 股関節の痛みとロコモティブシンドローム

第47回 股関節の神秘

第46回 生き方が役に出る

第45回 変形性股関節症に対する骨切り術とテクノロジー

第44回 変形性股関節症「寛骨臼(臼蓋)形成不全に起因する

第43回 3Dプリンターの医療機器への応用

第42回 中間管理職から見た股関節手術を取り巻く教育の現状

第41回 Wolffの法則

第40回 医者と弁護士

第39回 骨の銀行があることを知っていますか?

第38回 悠々閑々外来の妙

第37回 股関節手術でAIは整形外科医を超えられるか?

第36回 ステロイド治療に伴う大腿骨頭壊死の発生予防を目指して

第35回 股関節手術と今後の健康維持

第34回 財団30周年に寄せて

第33回 大腿骨近位部骨折(足の付け根の骨折)は早く治療を!

第32回 腰痛は人間の宿命です-腰椎・骨盤・股関節の連携-

第31回 股関節の手術と健康寿命

第30回 弘法は筆を選ばず?

第29回 大腿骨近位部骨折が増加しています-50歳を超えたら骨折予防-

第28回 呼吸を整え体を動かそう

第27回 人工関節の寿命は予測できるの?

第26回 人工関節手術後の早期社会復帰と保険医療制度の疲弊

第25回 赤ちゃんの股関節脱臼に思う

第24回 新しい高齢者像を求めて、メディカルフィットネス 医学体操の活動

第23回 指定難病の特発性大腿骨頭壊死症をご存知ですか?

第22回 人工関節置換術の適齢期は?

第21回 あなたはサルコペニアですか?

第20回 赤ちゃんの股関節脱臼に注意しましょう

第19回 股関節手術の思い

第18回 いつまでも健やかに

第17回 「セメントレス人工股関節」

第16回 「骨切り術も再生医療です!!」

第15回 「骨粗鬆症の激増と過激な減量、ビタミン・ミネラル不足」

第14回 「大腿骨頭はどうして球形なの?」

第13回 「人生いろいろ、手術もいろいろ」

第12回 「股関節疾患の過去、現在、未来」

第11回 「国産医療機器メーカーとして」

第10回 「「股関節」という言葉で思いついたつれづれなること」

第9回 「股関節のインプラント治療」

第8回 「患者会としての30年」

第7回 「私の股関節と剣道」

第6回 「股関節唇損傷自己体験記」

第5回 「人工股関節全置換術より高い満足度を求めて」

第4回 「人工股関節置換術と関節温存手術」

第3回 「乳児股関節脱臼―歴史は繰り返す―」

第2回 「股関節疾患今昔」

第1回 「肝心要は股関節から」


新・股関節がよくわかる本Web版
股関節市民フォーラム
股関節疾患について
HJFJ人工股関節ステッカー
股関節の悩みQ&A
股関節の治療法
一般向け動画
Hip Joint Column
Hip Joint News
ロコモン体操
患者会紹介