小児と股関節
小児股関節ステッカー 画像 日本人の主な変形性股関節症の要因の1つに、乳幼児期の発育性股関節形成不全があります。これは、股関節の臼蓋等の作りが浅く、亜脱臼や脱臼を起こす可能性のある状態をさします。また、欧米では1990年代か(Developmental dysplasia of the hip)頭文字をとってDDHと呼ばれます。
早期に発見されると治療は可能であります。しかしながら、この時期の股関節形成不全を見落とされてしまうと、変形性股関節症そして人工股関節へと症状が進行しその後の人生に影を落とす可能性があります。
このページでは乳幼児期の股関節に関する情報を掲載しておりますので、是非ご覧ください。
また、当財団では乳児の股関節に関する正しい知識の普及・啓発のために、「小児股関節ステッカー」を無料で配布しております。ご興味のある方は、是非下記のリンクよりお申込みください。
→ステッカー申し込みページへ
小児の股関節権威の先生方とてい談を行いました。
当財団理事長と慈恵会医科大学整形外科講座教授・日本小児整形外科学会前会長の大谷先生、信濃小児医療センター理事長の朝貝先生とのてい談動画となります。
「乳児の股関節脱臼検診・学会としての取り組み」と「発育性股関節形成不全の予防と早期発見」に関して、お話いただいております。
発育性股関節形成不全早期発見のチェック項目
発育性股関節形成不全は早期発見が肝要です。是非一度ご確認ください。 動画(15分42秒から)でもご説明しておりますので、ご確認ください。
  1. 女の子。
  2. 逆子(骨盤位)で生まれた。
  3. 寒い時期(11月~3月)に生まれた。
  4. 家族に股関節の悪い人がいる。
  5. 向きぐせ反対側の脚が立て膝状態になっている。
  6. 太ももやお尻のしわの左右差
  7. 足の開きが悪い
 その他学会より発行されている関連パンフレット
→赤ちゃんの股関節「こんなサインがあればお気軽に整形外科へ」
※日本整形外科学会・日本小児整形外科学会・日本臨床整形外科学会
発育性股関節形成不全の予防
発育性股関節形成不全の今すぐに行える予防法です。是非お試しください。
※動画(12分02秒から)でもご説明しておりますので、ご確認ください。
1.オムツや適切な洋服
両足が自由に動く様なオムツ・洋服を選ぶようにしましょう。また、両足を固定するオムツ・洋服は、脱臼の原因となりますのでさけましょう。(図3)

図3
2.抱き方
赤ちゃんを正面から抱くと、両膝と股関節が曲がったM字型開脚で お母さん(お父さん)の胸にしがみつく形になります。この正しい抱き方は、あ たかもコアラが木につかまった形であることから「コアラ抱っこ」とも呼ばれてい ます(図4)。同様に、両膝と股関節がM字型に曲がって使える「正面抱き用の 抱っこひも」の使用も問題ありません(図5)。 横抱きのスリングは開脚の姿勢がとれず、また、両脚が伸ばされる 危険もあるため、注意が必要です(図6)。

図4

図5

図6
3.向き癖の対応方法
向き癖方向と反対側の脚が立て膝姿勢にならず、外側に開脚するような環境 を作ってあげるよう留意しましょう。赤ちゃんには常に向き癖の反対側から話 しかける、向き癖側の頭から身体までをバスタオルやマットを利用して少し持ち上げる(図7)などの方法が提唱されています。それぞれの赤ちゃんに合った 方法を工夫してみましょう。

図7
※引用‐赤ちゃんが股関節脱臼にならないように注意しましょう-
(日本整形外科学会・日本小児整形外科学会)
引用元のPDFが欲しい方は、下記のリンクよりダウンロードいただけます。
→‐赤ちゃんが股関節脱臼にならないように注意しましょう-
※日本整形外科学会・日本小児整形外科学会
現在の医療体制
現在は、1次健診として「3から4カ月健診」の際に小児科医の先生が股関節もチェックされ、異常がある際は整形外科医の2次健診へと回される方式となっております。
しかしながら、一部では1歳以上での遅診断例も散見され、小児整形外科学会では生まれる前・生後1日からの介入も求められております。
また、日本小児整形外科学会にて2次健診の全国施設一覧も公開されておりますので、お子様の股関節に不安がある方は下記のリンクよりお問合せください。
※動画(6分59秒から)でもご説明しておりますので、ご確認ください。
→赤ちゃん健診後の股関節健診(画像検査)かかりつけ施設一覧(股関節2次健診)
当財団小児股関節関連のヒップジョイントコラム
当財団では股関節有識者の皆様から、月ごとにコラムをご執筆いただいております。その中より、乳幼児の股関節に関するコラムを抜粋いたしました。興味深い内容ばかりです。是非ご覧ください。


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