第26回 Hip Joint コラム
この3点をかなえることで満足した手術結果と共に快適な日常生活が送れるようになると考えてきたし、今後もその思いは変わらない。このため、現在の進行期から末期変形性股関節症に対する最適な手術は人工股関節置換術のみと考えている。自分の家族、そしてもし自分がそのような病態に陥ったとすれば迷いなくこの手術を勧める。
日本の医療保険制度もかなり疲弊し、税金補てんによる赤字垂れ流し病院は問題で今後10年以内にそういった病院はなくなることが予測される。また、医療保険財源が枯渇する中、保険者よる行政指導の名のもとにあからさまに医療に必要な部分までも削除して病院に負担を強いることが続けば医療の質の確保は怪しくなる。
そこで、湘南鎌倉人工関節センターでは開院以来13年間長期入院を悪(合併症増加と医療費の無駄遣い)と捉え、早期退院早期社会復帰に尽力してきた。現在は術後5日で自宅退院が95%、3日で退院が90%の成功率を収めている。本邦の人工関節置換術後の平均在院日数は1か月を超えるため、これは画期的なことである。来年からは海外でも病院全体の30%程度行われている日帰り手術を導入すべく、日本版プロトコールが完成したところである。これをもとに、患者の希望する患者のための早期退院、早期社会復帰が在院日数選択もできることで術後合併症の低減とともに医療費削減に貢献できれば幸いと考えている。
第108回 「人生100年時代を生きる! 運動器とロコモ予防の大切さ」
第103回 健康日本21(第3次)における運動器対策:
「ロコモテイブシンドロームの減少」と「骨粗鬆症検診率の向上」
第102回 「股関節周囲筋の加齢変化と、根拠に基づいた運動療法」
第101回 「原因の分からない股関節痛、急速破壊型股関節症の始まりかもしれません」
第95回 「大腿骨近位部骨折のリスクを下げるために出来ること」
第94回 「手外科医として,整形外科研究者として股関節外科から学ぶ」
第93回 「人工股関節置換術の進歩と課題:第96回日本整形外科学会学術総会から」
第85回 「ロボットリハビリテーション 股関節疾患への応用」
第80回 「骨粗鬆症治療中に注意が必要な骨折−大腿骨非定型骨折−」
第69回 子どもや孫が「家族歴」が理由で
股関節健診にひっかかった!!時に読む記事
第66回 人工股関節全置換術術後でも足の爪が
自分で切られない患者様に対する自助具を開発しました!
第57回 赤ちゃんの股関節を守るため、生まれてすぐからの予防を!
第52回 2020年(令和2年)新春明けましておめでとうございます。
第36回 ステロイド治療に伴う大腿骨頭壊死の発生予防を目指して
第33回 大腿骨近位部骨折(足の付け根の骨折)は早く治療を!
第29回 大腿骨近位部骨折が増加しています-50歳を超えたら骨折予防-
第24回 新しい高齢者像を求めて、メディカルフィットネス 医学体操の活動
第15回 「骨粗鬆症の激増と過激な減量、ビタミン・ミネラル不足」