皆さまは「フレイル」という言葉をご存知でしょうか。
　フレイルとは「虚弱」という意味で、加齢によって健康と要介護の中間にある状態を言います。筋量・筋力が低下する「身体の虚弱」が想像しやすいと思いますが、社会とのつながりを失っていく「社会的虚弱」や意欲が低下していく「心理的虚弱」なども含みます。多くの人はフレイルを経て要介護状態へ進むと考えられています。
　フレイルになりたくない！　できる限り健康な状態で過ごしたい！　皆さま、そう思うのではないでしょうか。
　フレイルは、たとえなってしまったとしても、早く対策を行えば元の健常な状態に戻り、健康寿命を延ばすことができます。大切なことは、栄養・運動・社会参加の３つすべてを自分の生活サイクルに組み入れていくことです。
　「栄養」については、バランスの良い「食事」だけでなく、「口腔機能」の維持も重要です。「噛む機能」が低下すると、食べられる食品が減って低栄養になります。すると、免疫力が下がるため、病気に罹りやすくなってしまいます。また「飲み込む機能」が低下すると、食べ物などが気管に入る誤嚥を起こして肺炎になってしまうこともあります。日頃から、嚥下体操や唾液腺マッサージなどを行い、口腔機能の維持に努めると良いでしょう。
　「運動」は、ちょっとした運動であっても継続して行うことが重要です。筋力の低下を防ぐことで、転倒・転落による骨折のリスクを減らすことができます。
　「社会参加」の機会の低下は、フレイルの最初の入り口となりやすいとされています。趣味の集いやボランティアなどへの参加だけでなく、友人とのおしゃべりや共食などの機会をつくるのもとても良いです。
　もし股関節の痛みなどが原因でフレイルになりつつあるという方・フレイルになっているという方は、かかりつけ医に人工股関節への置換について相談してみても良いかもしれません。私の叔父は80代後半まで両側人工股関節を入れながらゴルフを楽しんでいました。美味しいものや好きなものも食べて栄養をとり、運動をして社会参加を続け、いきいきシニアライフを満喫しましょう！
　別府諸兄理事長には日頃から大変お世話になっております。第50回衆議院議員選挙にて当選し、再び国会で仕事ができることになりました。現在は、第２次石破内閣で厚生労働大臣政務官を拝命しております。股関節のメンテナンスは「可能な限り住み慣れた地域で、自分らしい暮らしを人生の最期まで続ける」という地域包括ケアシステム構築の目的においても非常に重要な要素であると考えています。股関節に不安を感じている皆さま、人工股関節への置換をされた皆さま、そして股関節に関わる医療現場の皆さまのご意見を政治に反映させていきたいと思います。