第13回股関節市民フォーラムQ&A(質疑応答)②

平成26年5月31日に開催されました、第13回股関節市民フォーラム・質疑応答の際にお時間がなくお答えできなかったご質問に対して、Q&A形式で掲載いたしました。※全16問人工股関節がよくわかる本抜粋画像④

掲載質門6~質問10

  

? 質問6

 人工関節置換術の最新情報について。

? 回答

 近年、MISという考え方があります。MISとはminimal(最少)invasive(侵襲)surgery(外科手術)の略で、できるだけ小さな損傷で手術を行おうと言う考え方です。これは傷が小さいと言うだけのものではなく、筋肉を切らずに筋肉と筋肉の間から股関節に達して、小さな損傷で手術をしましょうと言う考え方です。しかし、人工股関節置換術にとって、いかに安定した人工物の設置ができるかが大切です。安定した設置とは、脱臼が生じにくい、長い年月の間ゆるまない、人工の軟骨に相当するポリエチレンの摩耗による骨溶解が生じないなどのことと考えます。これを実現するために、コンピューターを用いた3次元的な術前計画を行い、計画通りに人工物を設置するための術中ナビゲーションシステムが応用されています。しかし、高価なものであり、まだまだ全ての医療機関で使用されているものではありません。
 当財団発行の「人工股関節がよくわかる本」第4章「人工股関節の手術についてお答えします」のP.56「MISとは何ですか?」にわかりやすく記載されています。ご参考にしてください。


? 質問7

 手術を決めるタイミングはいつでしょうか。

? 回答

 人工股関節置換術の手術のタイミングは、患者様が股関節の痛み、股関節の動きの制限、脚の長さの違いなどにより日常生活に苦痛を感じ、健やかな生活が遅れなくなってきたら考えていただいて良いと思います。しかし、人工股関節は新しい技術による長持ちするようになってきましたが、お若い患者様に一生もちますといえるような人工股関節は未だないと考えています。30歳代のお若い患者様に人工股関節置換術を施行させていただくこともありますが、再度人工股関節を行う可能性のあることをご理解いただく必要があります。最大の利益である痛みの改善が、合併症などを含めた不利益を上回る場合に限られます。また、股関節の受け皿(臼蓋または寛骨臼)が著しく破壊されるような病気(急速破壊型股関節症)では、術後の臼蓋側の人工物の安定性に影響しますので、比較的早急な手術が必要となることがあります。
 当財団発行の「新・股関節がよくわかる本」第3章「股関節の病気の種類と内容」のP.31~P.48に様々な病気に関して記載されていますので参考にしてください。


? 質問8

 股関節の働きについて

? 回答

  

 股関節とは、2足歩行の私達人間の動き、移動の要になる関節です。身体をささえながら、前後左右のみならず、脚を上げたり、回したり様々な動きが行なえる、動きの発進基地です。よってこの関節の健康を維持することが、健康寿命につながります。  当財団発行の「新・股関節がよくわかる本」P.16~のイラスト付きの解説を読んで頂けるとよくわかります


? 質問9

 股関節の痛みを悪化させない方法がありますか。

? 回答

 大事に使うことが股関節症の予防です。そのためには、自分の関節の状態を理解し、負担をかけ過ぎず日常生活を無理なく過ごすことです。疲れたら休む、長時間の移動には杖を活用する、太り過ぎない、そして運動・体操をすることです。
 それについては、当財団発行の「新・股関節がよくわかる本」P.63、第5章「予防について」という項目に詳しい解説があります。


? 質問10

 股関節の軟骨を減らさない工夫は何かありますか。

? 回答

  

 関節軟骨の成分は、コンドロイチン、グルコサミン、ヒアルロン酸など衝撃吸収や動きを滑らかにする機能を助ける栄養分です。これは、老化とともに不足します。しかし、薬や食べ物で補充するのは困難です。それらは、消化管から吸収され血液の中に入り身体の隅々まで運ばれます。関節軟骨には血管がないので、運ばれません。 関節軟骨成分の補充は、関節液の中にある栄養分が表面から関節内にしみこむことで可能となります。動かすことで、栄養が関節内に行きわたり、軟骨を維持する良い環境を作ります。
 当財団発行の「人工股関節がよくわかる本」P.39~40の2.「運動して筋力を強化すると何に良いのでしょう?」をご参照下さい。  


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